2014年01月

総合施設長コラム(2014. 1.30)

午前中の会議等で出張時、各地で保育園・幼稚園の送迎車よりも、遥かに多いデイサービスセンターの送迎車に出会う。昨日も市内で信号停止した時にデイサービスセンター車両に乗車される車いすの高齢者の様子が目に入った。歩道と車道の区切りのところで一部、出入りする部分が緩やかなスロープになり数センチの段差がついている。その場所はなぜか段差が目について、その場所を車いすの高齢者を前向きに押され、ご利用者は衝撃で頭部や上半身が大きく揺れた。さらに押しているスタッフはリフトを準備しているスタッフと会話をしているのか、そのスタッフの方へ顔が向いていた。「ハッと」した。私たちも、これくらいの段差と思ってこのような移動をしていないか。ご利用者よりも他のスタッフとの会話に思いがいっていないだろうか。一つ一つのかかわりが慣れと流れの中でおこなわれていないか考えさせられた。さらに、この光景を見ている市民の視線はどうであろうか。ひとりひとりがチェックしなければならない。ご利用者のかかわりのなかでスタッフ側の視点でなく、ご利用者の視点・市民の視線を大切にするかが問われているのではないだろうか。「他山の石」としたい。

総合施設長コラム(2014. 1.28)

 126日午前130分頃、福知山市で火災が発生し、ひとり暮らしの高齢者お二人が亡くなられた。現時点では出火原因が特定されていないが、時間帯から推測して何らかの暖房器具ではないかと思う。市消防署が近くに移転し出動時のサイレン等は響くようになった。そして、大火及び近隣の場合は家の前の消防団詰所からも出動するので、発生時はよくわかる。すぐに消防署の案内を確認すると市内岡の上で火災発生と言っているので窓からみても炎等は不明で、離れていると思った、朝になり場所が報道されると異なる自治会と思っていた場所であった。小学生の時の通学路に添った家で、かなり古い長屋で高齢者の方の年齢からすると、その当時から住んでおられたのではと思う。冬季の火災はほとんどが暖房器具に関係する場合が多く、特に高齢者独居、高齢者世帯では十分に気を付けないといけないが、四六時中注視するわけにはいかないので家庭の火災報知器の設置が推進されているが、深夜の熟睡時では聞こえないかもしれない。日々の地域やかかわっている人々の声掛けを重ねるしかないのではと思う。私たちも、日々多くの在宅の高齢者にかかわる仕事に携わっている。声掛けの機会を増やしてほしい。

総合施設長コラム(2014. 1.27)

 126日、久しぶりに、うえすぎ松寿苑で3ケ月に1回開催している認知症ケア教室に参加しました。毎回参加していただいている認知症の人とご家族が6名と、過去に介護されていて介護相談員等をされていた方とスタッフで10名程度の集まりですが、介護ご家族が現状困っていることを誰からとなく話され、そのことについて工夫したり失敗の話を暗い表情でなく、前向きな表情で話され、周囲の人も否定的な表現をされずに、同じようなことで困っていたが少しづつ改善した話などをされ穏やかな時間が過ぎる。
 内容は、病院の採血時に苦慮したこと、排尿、排便の介護でゆっくり眠れない、寝具、衣類の交換等苦慮されていること、入浴のご苦労、足腰が弱り動きが取りづらくなったこと、介護者がストレスから病気になったこと、誰か介護の話を理解してもらえる人があれば安心できる等々、次から次に笑い声も聞こえる中で進んでいく。
 参加しているスタッフは時々デイでのご様子や福祉用具等のアドバイスをする程度で、ご家族の皆さんが中心に進み、顔見知りがほとんどなのでお互いに心配しあう光景もあり、外は降雪になっていたが心が温まる時間をともに過ごし多くの学びが与えられる教室です。

総合施設長コラム(2014. 1.21)

静岡県浜松市のノロウィルスによる食中毒は、日を経るにしたがい、いろいろなことが報道されている。特に今回新たなことで工程にかかわっていたスタッフからノロウィルスが検出されたが、本人が自覚症状のない健康保菌者であったということ。手袋によって異物混入の有無をパンに触れて確認作業中に蔓延したという経路。

手袋を使用していれば清潔・症状がなければ大丈夫という「安全神話」が崩れたということ。手袋着用前の手洗い、食材を確認する場所の清潔、一工程一手洗いという基本的な手洗いの徹底等、私たちの日々の実践の中でも十分意識しないと、起きうる可能性を示したものです。感染症予防は目に見えないウィルス等が相手ですから、ここまですれば安心ということはないかもしれませんが、ひとりひとりの衛生意識の徹底とチームによるチェック体制で予防をしていく体制づくりが必要です。さらに事が起きた時は意識化できますが日が経つにつれておろそかになる傾向があります。その時に意識をチェックできるシステムが必要だと思っています。「喉元、過ぎれば熱さ忘れる」ということがないように、ひとりひとり意識化に努めていきましょう。

総合施設長コラム(2014. 1.20)

「話し上手」「聞き上手」と言われますが、皆さんはどちらでしょうか。18日・19日と研修の機会があり、各々の講師の方の話を聞き、「すっと入ってくる感じの」まさに話しじょうずの方でした。しかし、実践においては「聞き上手」というよりも、相手の方の話に耳を傾け、ともに考えていく、相手が選択できるようにアドバイスし、最終的にはご本人の思いに近づく結論になるように努めておられる実践の裏付けがあっての話し上手です。この姿勢は私たちの実践においても学ばなければなりません。そして、ご利用者へのサービスだけでなく、スタッフの育成についても同じことがいえると思います。文字で表すと簡単ですが、実際の場面ではご利用者・スタッフに向き合った時、私自身、どうしても少し聞いて自分の思いに添った方向へ話してしまう傾向があります。

さらに、この2つの研修で感じたことは「話を聞き、ともに考え、より良い方向になるようにアドバイスするには、しっかり学び知識を持っておかなければならない」ということです。この一連の流れの中で、特にご利用者からは多くの学びが与えられます。それを次のステップにしてレベルアップに努めなければなりません。

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